注文住宅の資金計画書と見積書の違い|名前ではなく中身で見分ける
【PR】記事内に広告リンクがありますハウスメーカーから届いた紙の題名が「資金計画書」で、これが見積書なのかどうかが分からない。 他社の紙と並べていいのかも決められない、という場面があります。
どちらの名前で来るかは、会社が決めています。家を建てた方が公開している実物9件のうち、題名を読み取れた6件で「見積書」と書いてあったのは1件でした。
名前では中身が決まりません。同じ「資金計画書」でも、土地代やローンまで入っている紙と、工事だけの紙がありました。
見分けるのは3つの欄です。土地とローンの行があるか。合計にマイナスで効く行があるか。数量と単価の列があるか。
この記事で分かること
- 題名を読み取れた6件のうち「見積書」は1件
- 資金計画書に同居していたもの
- 並べる前に取り出す範囲
そもそも紙が出てこない場合の頼み方は、 見積書がもらえないときにできることにまとめました。
題名が「見積書」だったのは、6件のうち1件でした
実物9件のうち、紙の一番上の題名を読み取れたのは6件です。 そのうち「見積書」という語が入っていたのは1件でした。
| 紙の題名 | 「見積書」の語 |
|---|---|
| 建物本体工事御見積書 | あり |
| 資金計画チェックリスト | なし |
| 請負代金内訳書 | なし |
| マイホーム資金計画書 | なし |
| 資金計画書 | なし |
| 資金計画書 | なし |
残り3件は題名を読み取れませんでした。 2件はブログ本文への転記で原本の画像が無く、1件は画像から題名を判読できませんでした。 「9件中5件が資金計画書だった」とは言えません。言えるのは、読み取れた6件での内訳だけです。
紙の題名を法令が決めているわけではありません。 建設業法が「見積書」という語で定めているのは、材料費などの内訳と工程ごとの日数を記載した書面を作成すること(第20条第1項・努力義務)と、 注文者から請求があったときに契約が成立するまでに交付すること(同条第4項・義務)です。 会社が自社の書式に何という題名を付けるかは、この条文の外にあります。 条文の全文と、こちらから請求するときの言い方は見積書がもらえないときにできることに書きました。
同じ「資金計画書」でも、入っているものが違いました
①土地代とローンが同じ紙にある
実物のうち3件で、土地代金・仲介手数料・固定資産税の精算金が同じ紙に印字されていました。 土地の取引は、建物の工事請負とは別の契約です。
1件は、返済比率・光熱費の比較・住宅ローン控除の試算まで同じ紙に入っていました。 これは費用の内訳ではなく、販売のための資料です。 紙の合計額をそのまま「建物にかかるお金」として読むと、額を取り違えます。
②合計にマイナスで効く行がある
1件の紙には、補助金の行がマイナスで入っていました(太陽光に対する市の補助金と、住まいの給付金)。 これは支払うお金ではなく、受け取るお金です。合計を下げる向きに効きます。
値引きの行も同じです。実物では出精値引・時季指定特別値引・端数調整・法人契約特別割引という4通りの書き方を見ました。 合計だけを2社で比べると、どちらがいくら値引きを載せているかが見えません。
③「まだ載せていない費用」の枠がある
1件の紙には、「E 未計上工事及び費用」という枠が印字されていました。 まだ金額を載せていない費用があることを、紙のほうが先に書いている形です。
この枠があったのは9件で1件だけでした。 枠が無い紙に、載っていない費用が無いという意味ではありません。 どの会社の紙にも載りにくい費用は見積に含まれていないことが多い費用にまとめています。
数量と単価の列があったのは、9件のうち1件でした
数量・単位・単価まで公開されていたのは、9件のうち1件です。 ほかの紙は項目名と金額までで、その金額がどう計算されたかは紙の中にありませんでした。
1件は「材料費」「工事費」の2列で、単位の列そのものがありませんでした。 別の1件は分類の軸が躯体・外部・内部という部位で、工事の種類では並んでいませんでした。
数量と単価が無い行は、金額の根拠が紙の外にあります。 その行が後から動くかどうかの見分け方は後から上がる箇所の見分け方に、 金額が確定していないことを示す11通りの表記は「一式」「1式」の違いと「概算」の意味に書きました。
並べるときは、工事の部分だけを取り出します
土地代金・仲介手数料・固定資産税の精算金・ローンの試算・補助金のマイナス行。
残った工事の行だけを、2社分そろえて並べます。
外す理由は、会社によって同じ紙に入れたり入れなかったりするからです。 片方の紙に土地代が入っていて、もう片方に入っていなければ、合計を比べても差が土地代なのか工事なのか分かりません。
項目名の書き方も会社ごとに違います。同じ工事に7通りの名前が付いていた例など、違いの中身は 会社によって書き方が違う理由にまとめました。 区分の線そのものが動く話は本体工事費と付帯工事費の違いにあります。
取り出した内容を並べるときは、当サイトの入力欄が使えます。 2社分の項目名を入れると、書き方の違いをそろえて並べます。入力はブラウザの中だけで処理します。
見積そろえの入力欄を開く(無料・登録不要)よくある質問
資金計画書しかもらえていません。見積書を出してもらえますか。
請求すれば、契約が成立するまでに交付を受けられます。建設業法第20条第4項が定めています。 ただし条文が作成を求めている見積書は、材料費などの内訳と工程ごとの日数まで書いたもので、その作成自体は第1項の努力義務です。 同じ内容の紙が必ず出てくるとは限りません。言い方は見積書がもらえないときにできることに書きました。
資金計画書は、見積書より簡単なものですか。
当サイトが読み取った範囲では、そうとは言えませんでした。 土地代・保険・ローンまで入っていて、工事だけの紙より行数が多いものがありました。 粗いか細かいかは、題名ではなく数量と単価の列があるかで分かれていました。
2社の合計額を比べるだけでは、だめですか。
紙に入っている範囲が違うと、合計は並びません。 土地代の有無、補助金のマイナス行、値引きの載せ方が会社ごとに違いました。 先に範囲をそろえてから比べます。
会社に「これは見積書ですか」と聞いてもいいですか。
当サイトは、聞いたときの反応を確かめていません。 確かめられるのは紙の側だけです。 数量と単価の列があるか、土地代の行があるかは、その場で紙を見れば分かります。
9件というのは、少なくないですか。
少ないです。これは家を建てた方がご自身で公開している実物を集めたもので、住宅会社全体を代表する数ではありません。 この記事の数字は「9件でこうだった」という意味以上には読めません。
まとめ
①土地代とローンの行があるか ②合計にマイナスで効く行があるか ③数量と単価の列があるか
題名が「見積書」でも「資金計画書」でも、この3つで中身が決まります。
題名を読み取れた6件のうち、「見積書」と書いてあったのは1件でした。 名前で判断せず、紙の中の3つの欄を見てください。
間取りプランと資金計画を、まとめて無料で。
届くのは各社の提案で、契約前の正式な見積書とは別のものです。比べるためのものなので、会社は複数選びます。
無料でまとめて依頼(外部サイトが新しいタブで開きます)希望する条件を1回入力すると、複数の住宅会社がそれぞれ作って送ってくれます。
この記事の調べ方
- 数字はすべて、家を建てた方がご自身で公開している実物の見積書9件を1行ずつ読み取ったものです。会社名と出典URLは当サイトの記録に残していますが、記事本文では社名を出していません
- 9件のうち7件は画像(スキャンや写真)、2件はブログ本文へのテキスト転記です。画像は目視で書き写しており、解像度が足りず判読できなかった行があります。転記の2件のうち1件は、施主の方による要約の可能性があり、表記の一次証拠としては弱いものです
- 紙の題名を読み取れたのは6件です。残り3件は原本の画像が無いか、画像から題名を判読できませんでした。本文の「6件のうち1件」は、この6件での内訳です
- 金額が確定していないことを示す表記は、9件に市販の積算ソフトのサンプルを加えて数えたもので、11通りです
- 確かめていないこと:会社が題名を使い分ける理由/「資金計画書」に法令上の定義があるか/題名ごとの中身の傾向が住宅会社全体に当てはまるか/会社に紙の種類を尋ねたときの反応
- 本記事は実物の読み取りと条文の整理であり、法律の助言ではありません。個別の契約についての判断は、契約書の記載と当事者間の確認によります